1. 経営革新 × 創業支援型

  1. 自社の概要

    業種 本社所在地 従業員数
    自動車小売業 愛知県 5名
    自社事業の概要

    トラックのリフレッシュができる設備の導入による新規顧客の開拓

    事業承継について

    被承継者の業種 被承継者の本社所在地 被承継者との関係
    自動車買取、販売、修理 愛知県 親子(父/長男)
    事業承継の経緯

    1988年に、現代表取締役の父がトラック解体が主業の福田商会を創業。当時、現代表取締役は整備会社に就職し、トラック整備の仕事についた。学生時代から、父がトラック関係の仕事をしていたこともその要因となっている。その後、父の職人としての技術や、仕事への向き合い方に対し承継を意識し始め、2000年4月にトラック整備工場を退職、福田商会に入社。顧問税理士のアドバイスをもらいながら承継の時期を模索していた。従業員の増加、事務所設備の老朽化による改修資金の捻出、父の年齢など、様々な要因が重なり事業承継を決断。2021年10月8日、合同会社福田商会を設立し父から事業を引き継ぐこととなった。

    事業承継をして良かった点、今後の期待

    大型フォークリフト導入により、これまでも顧客からのニーズはあったものの、自社内において提供できなかったトラックのボディ積み替え作業ができる。これにより、顧客に新たなサービスを提供し付加価値向上を図る点での新サービスの提供ができる。

    経営革新等に係る取組について

    経営革新等に係る取組の概要

    大型フォークリフト導入により、これまでも顧客からのニーズはあったものの、自社内において提供できなかったトラックのボディ積み替え作業ができる。これにより、顧客に新たなサービスを提供し付加価値向上を図る。

    補助事業で使った経費の種類

    設備費

    補助事業期間に実施した取組

    【大型フォークリフトの導入による新サービスの提供】
    通常新車トラックの販売では、車両本体+ボディ(荷台)の受注生産である。しかし、中古トラックの場合はすでに組みあがっているため、お客様は用途に合う中古トラック探しに苦労していた。今回、大型フォークリフトを導入することにより、これまでできなかったボディの載せ替えサービスを提供できるようにした。

    補助事業期間での取組の効果

    お客様は車両本体の登録年数や状態と、用途であるボディを分けて購入の比較検討ができ、当社においても車体本体とボディを分解して在庫管理することで、お客様の希望に沿った車両の提供機会が増える。

    補助事業期間で感じた取組の課題

    これまで他社に依存していた載せ替えが当社でできることとなり、お客様への納期も大幅に短縮できることで、社内商品の回転率も向上する。
    当地区における同規模同業種でこのようなサービスを行なっている事業所はなく、革新的な取り組みであるため今後、新規の取引先への販路開拓が課題である。

    今後の展望や、検討している取組内容

    様々な業種がある中で皆様がどのような車両を求めているかを色々な業界から意見を聞き、それを、我社の強みである買取車両の中で程度の良い車両を使い、ボディー載せ替えでユーザーにニーズに合ったものを作って行き、それを提供し販路の拡大を目指していく。

    事例集
  2. 自社の概要

    業種 本社所在地 従業員数
    居宅介護支援事業 鹿児島県 2名
    自社事業の概要

    温泉×介護による地域コミュニティの場の提供

    事業承継について

    被承継者の業種 被承継者の本社所在地 被承継者との関係
    介護業・温泉業 鹿児島県 親子
    事業承継の経緯

    対象事業は承継者代表の祖父が営んでいた公衆浴場事業である。今年の4月祖父の死去に伴い父(被承継者)が相続した。父は事業経験が無いため、相続人である父(個人事業)から二男が代表を務める法人に事業譲渡により事業を承継した。9月に事業譲渡契約を締結し、登記などの手続きを経て12月に事業譲渡を完了した。

    事業承継をして良かった点、今後の期待

    祖父の代から家業としてきた温泉事業を介護と関連した事業として継続できたことが良かった。

    経営革新等に係る取組について

    経営革新等に係る取組の概要

    承継者は居宅介護支援事業を営む介護事業者。祖父の死去に伴い長年地域の通い湯となっていた銭湯事業が実質閉店状態にある。高齢者を中心にご家族で温泉を楽しみたいとのご要望も多い。補助事業では介護関連サービス×個室温泉による地域コミュニティの場を創出し、安心安全な快適空間を提供する。

    補助事業で使った経費の種類

    設備費

    補助事業期間に実施した取組

    補助事業では下記を実施した。
    ①老朽化した公衆温泉施設を解体し、個室温泉として2棟を新築した。補助金申請対象は1棟分のみ(工期:2024年1月ー2024年4月)。スタイリッシュモダンでありつつも高齢者に配慮したユニバーサルデザイン個室温泉として他の個室温泉施設との差別化をはかった。
    ②補助対象外ではあるが隣接した祖父の邸宅を改修。今後、入浴介助の技術指導など介護関連サービスを提供する。

    補助事業期間での取組の効果

    ①家業の温泉事業を親族内で引き継ぐことができた。
    ②居宅介護支援事業と連携することで新たな収益を得ることができた。地元のTVに取り上げられたこともあり上々の客足となっている。
    ③地域のご高齢者やご家族がゆっくり温泉を楽しんでいただける場を提供できる。

    補助事業期間で感じた取組の課題

    建設資材費の高騰により計画以上の投資となった。収益性の悪化を防ぐため、認知度やリピート率を高める取り組みが必要である。

    今後の展望や、検討している取組内容

    今後はアンケートを取りながら、施設の整備やリピーターを増やすなど顧客満足度を高めていきたい。また現在、受付を番台茶屋として客室内に飲み物提供を行っている。地元日当山温泉水を使用しての商品「わらび餅ドリンク」や「霧島茶」を販売しておりテイクアウトもできるようにする。温泉事業コンセプトを「湯で縁をつむぐ」としており、飲食等の商品開発など地元の方々と繋がり、可能性を広げていきたい。介護の視点としては、体の不自由な方や介護・福祉施設などからの問い合わせもある。介護業の経験もある強みを活かし、介護旅行など観光を視点に繋がりを増やしていき、個人の生きがい作りや霧島市の観光業にも貢献していきたい。

    事例集

2. 経営革新 × 経営者交代型

  1. 自社の概要

    業種 本社所在地 従業員数
    食料品製造業 宮城県 18名
    自社事業の概要

    地域特産品「北限のしらす」販売促進及び「MARUTA」ブランド確立促進事業の展開

    事業承継について

    被承継者の業種 被承継者の本社所在地 被承継者との関係
    水産加工業 宮城県
    事業承継の経緯

    事業継承理由:前社長の高齢化
    継承時期:2023/03/21
    継承手法:親族内継承
    事業継承の経緯:前社長の高齢化に伴い、専務(長男)に事業を継承した。現社長は震災後、大手水産会社に就職し約6年間勤務した後、2017年東日本大震災からの会社再建を機に帰郷し専務に就任した。以後、先代社長とともに経営の中心として事業再建を図り、事業拡大してきた実績があり、次期社長として妥当であることから、株式総会を経て継承に至った。株式はすべて現社長に移転済みである。

    事業承継をして良かった点、今後の期待

    ・既存事業の生産性向上及び新規事業展開のアイデアの創出
    ・経営者スキルの向上

    経営革新等に係る取組について

    経営革新等に係る取組の概要

    「北限のしらす」の売上は好調だが品質保持や在庫管理を促進するための基盤整備が必要であり、製造工場とのデータ連携を強化し、プロセスの見える化を実現して生産性を向上させたい。また、事業承継を機に盛り付けに創作を加えた新商品のジェラートなどの冷菓を直売所等で販売し、MARUTAブランドの確立を促進する。

    補助事業で使った経費の種類

    設備費

    補助事業期間に実施した取組

    ・直売所に製品の品質を保持した状態で保管する冷凍庫の確保と配送のために自動梱包機器を導入した。
    ・新商品としてジェラート等の冷菓を製造・販売するため、既存商品と商品展示が可能なショーケースを直売所に導入した。

    補助事業期間での取組の効果

    ・冷凍庫の導入により品質を保持したまま製品のストックが可能になり、製造数が変動し易い製品の在庫管理が容易になった。
    ・自動梱包機器の導入により、1個あたりの作業時間が約70%削減され、梱包時間が大幅に短縮された。
    ・ショーケースを直売所に導入したことにより、直売所における在庫を一定量保管できるため、欠品により機会ロスが低減された。また、ジェラート製品の開発を進めており、今夏には商品として一般販売する予定である。

    補助事業期間で感じた取組の課題

    ・ジェラート製品の販売環境は整ったが今夏の販売に向けて企画・開発を実施しているが、数種類の商品を開発するため開発を継続する必要がある。
    ・今後商工会等の専門家派遣制度等も活用し魅力ある商品づくりを進めていく。

    今後の展望や、検討している取組内容

    今後の展望については目先の人手不足やコスト高騰の課題克服に向け生産ラインや加工工程を自動化し、作業効率を向上させデジタルツールを活用して在庫管理や生産計画を最適化し生産効率を上げていきたい。またトレーサビリティを強化し、原料から出荷までのプロセスを追跡できるシステムを導入し品質管理を向上していきたい。また自社の飲食店と連携して、更に魅力あるしらすのメニューを開発し地元で水揚げさる資源を多くの顧客に認知してもらえるよう注力し地元水産業の発展に寄与したい。
    飲食店でしらすの料理教室を開催し、顧客にしらすの魅力を伝えたりと食材の理解を深く知ってもらい食文化の形成を最終的な目標にしていきたい。地域の特産品を大切にし、伝統と革新を融合させることで、業績向上と地域貢献を両立させていきたい。

    事例集
  2. 自社の概要

    業種 本社所在地 従業員数
    宿泊業 群馬県 36名
    自社事業の概要

    外国人が求める粉雪と省エネ省人化を可能にする人工降雪機の導入

    事業承継について

    被承継者の業種 被承継者の本社所在地 被承継者との関係
    サービス業 群馬県 父子
    事業承継の経緯

    前代表は、若者が求める時代のニーズに「創造的」・「柔軟的」・「機動的」に対応するためには、若い経営感覚が必要であると感じており、事業承継を実施するタイミングを推し量っていた。そんな中、新型コロナウイルスの蔓延による社会情勢の変化や、人々の暮らしの変化が顕著になっていく中で、ここがターニングポイントになると判断し、取締役専務である長男を代表取締役に昇格させ、自らは会長に就任した。

    事業承継をして良かった点、今後の期待

    古くなった設備や施設の更新に加え、若年層などの新たな顧客やインバウンドの開拓が必要であった。これらの取り組みを迅速に実施するには、迅速な意思決定と新しい経営感覚が求められる。事業承継によりこの速度が速まったことは事業承継による大きな長所であった。

    経営革新等に係る取組について

    経営革新等に係る取組の概要

    諸物価高騰、人材確保難など、業界を取り巻く環境は厳しさを増しているが、なかでも温暖化による雪不足は集客に多大な影響を与え地域関連業者への売上も鈍ることから、影響は地域全体に及ぶ。そこで、本事業により雪質・雪量、さらに、省エネ・省人化に優れた最新型の人工降雪機を導入し、スキー場を核とした地域活性化を目指す。最高の雪質・雪量を確保することに加えて、デジタル技術による自動制御からCO2削減も実現させる。

    補助事業で使った経費の種類

    設備費

    補助事業期間に実施した取組

    イタリアの降雪機メーカー、テクノアルピン社製の最新型降雪機を3台導入した。また、稼働させるには400Vの電源が必要なため、ゲレンデ内に配電盤の設置やケーブルの地中埋設工事を行った。

    補助事業期間での取組の効果

    新型機は温度及び湿度を自動計測し、雪が作れる温度になると自動的に起動し、条件に合わせ良質で多くの雪ができるよう、水量及び空気量を調整してくれる機能がある。以前の降雪機は、スタッフが気温や湿度などを自らが計測し、条件に合った際は起動・停止・水量調節をセルフで行い、さらには定期的な見回りが必要であったが、新型機は全自動のため見回りの必要がほとんどなく、非常に効率的で省力化出来ている。さらに、温室効果ガスの排出削減では、従来機の1380Kwhに比べ最新機は120Kwhとなり、一時間あたり最大値で1,260Kwhの削減となっている。

    補助事業期間で感じた取組の課題

    新型降雪機を稼働させるには電源が必要であり、本事業で工事を行った場所以外では現状稼働させることができない。今後も、温暖化による雪不足が深刻化する事が予想されるので、広大なゲレンデを全面カバーするための電気工事と降雪機の更なる拡充が課題である。

    今後の展望や、検討している取組内容

    気候変動や人口減少といった社会環境の変化に対応し、持続可能な成長を達成するために、多岐にわたる取り組みが考えられる。例えば、スキーシーズン以外の誘客強化はもちろん、リフト券などのオンライン販売に代表するデジタル化の推進、環境負荷の低減をはじめとしたサステナビリティ重視の経営、そして単なるスキーを楽しむ場にとどまらず多様なニーズに対応できるよう、アクティビティの充実やノンスキーヤーをターゲットにした体験施設を提供することで差別化を図り、リピーターの獲得や高付加価値化を目指す。

    事例集
  3. 自社の概要

    業種 本社所在地 従業員数
    製造業 茨城県 10名
    自社事業の概要

    検査工程における最新鋭の手法導入・デジタル化による業態転換

    事業承継について

    被承継者の業種 被承継者の本社所在地 被承継者との関係
    製造業 茨城県 義理の父子(被承継者の長女の配偶者)
    事業承継の経緯

    将来の事業存続のため、承継を見据えて2019年より現代表が取締役に就任。前代表と連携して経営してきた。前代表の年齢的事情と現代表が会社統率に充分な実力を付けたことに伴い、2022年12月12日をもって現代表が代表に就任し、経営者交代となった。

    事業承継をして良かった点、今後の期待

    人材不足の情勢でも効率化によって生産性を向上する取組を継続的に行っており、業務平準化と品質の統一を進めることができている。

    経営革新等に係る取組について

    経営革新等に係る取組の概要

    本事業では、最新鋭のデジタル技術を駆使した測定器を導入し、その活用により検査体制を刷新することで、業務平準化と検査品質の維持安定を両立して、新しい分野からの受注獲得に挑戦する。

    補助事業で使った経費の種類

    設備費

    補助事業期間に実施した取組

    ・最新鋭のデジタルデータに対応したディスプレイ付き測定顕微鏡および輪郭形状測定器を導入し、アナログ方式だった検査工程を刷新した。
    ・技術習得の一環として設備講習を実施した。

    補助事業期間での取組の効果

    ・検査の高精度化、再現性向上により、従来検出できなかった製品不良を検出できるようになり、出戻り率の低下と信頼性強化につながった。
    ・顧客の要望に応じて、納品時に製品と合わせて測定結果のデジタルデータを成果物として提供できるようになった。

    補助事業期間で感じた取組の課題

    売上を目標通り達成するために既存の取引先に加えて新規取引先を開拓する必要があるため、今後の販路拡大が課題である。

    今後の展望や、検討している取組内容

    本事業によりアナログ方式だった検査工程が刷新され、デジタル機器により検査品質と効率が向上した。今後は検査内容の適正化及びマニュアル化、検査データの蓄積と検査結果のフィードバック、情報共有等のシステムを構築し検査体制を強化し、新たな分野への販路拡大の体制を整えていく。

    事例集
  4. 自社の概要

    業種 本社所在地 従業員数
    建設業 宮崎県 48名
    自社事業の概要

    自社のDXノウハウを活かした建設業界からIT業界への新規参入

    事業承継について

    被承継者の業種 被承継者の本社所在地 被承継者との関係
    ソフトウェア業 宮崎県 親子(父と長男)
    事業承継の経緯

    前代表(父)も35歳の時に祖父から事業を承継しており、元々、事業承継の時期のイメージはありました。現代表(長男)は、専務時代から施工のICT化、社内業務のDX推進を牽引しており、先頭に立って更に加速させないと生き残れないとの危機感から、36歳になったのを契機に事業を引継ぎました。

    事業承継をして良かった点、今後の期待

    特になし

    経営革新等に係る取組について

    経営革新等に係る取組の概要

    自社のDX化を進める中でこれまで業務効率化アプリ開発(これまで60個以上開発)を手掛けてきました。本事業では、これまで蓄積してきたノウハウを活かし、建設業特化型のアプリを開発・外販していくための開発・営業拠点を宮崎市に整備しました。

    補助事業で使った経費の種類

    設備費

    補助事業期間に実施した取組

    求人がしやすい(人が集まりやすい)宮崎市に「DX部門」を担う事務所を建設(自己資金対応)するとともに、本事業では大型モニター、複合機、机・椅子等を設置するなど新事業実施のための基盤整備を行いました。

    補助事業期間での取組の効果

    従業員のモチベーションアップのほか、従業員の中途採用にも繋がるなど効果が出ています。また、リモート、オンライン、フリーアドレスなどを軸とした新しい働き方への意識が強まりました。

    補助事業期間で感じた取組の課題

    ・大学生の新卒獲得には至っておらず、ホームページの見直しやランディングページの構築などブランディング強化が課題です。
    ・建設業向けアプリについては需要があるものの、現在は基本的に1名体制で実施しているため、今後の販路開拓のためには人員増強が課題です。

    今後の展望や、検討している取組内容

    アプリ開発をより加速させ、販路を開拓するため他社と協業し、ソフトウェア業を更に成長させていきたいと思います。営業スタッフがいないので、営業スタッフを新規で雇用し、協業する他社とのコミュニケーションを更に充実化させ、増収を目指したいです。

    事例集
  5. 自社の概要

    業種 本社所在地 従業員数
    洗濯業 福岡県 155名
    自社事業の概要

    産業用クリーニング部門の取扱品目拡充・工程効率化に向けた取組

    事業承継について

    被承継者の業種 被承継者の本社所在地 被承継者との関係
    クリーニング業 福岡県 親子(父親/長男)
    事業承継の経緯

    前代表取締役が事故による骨折で会社経営から長期離脱することを機に、現代表取締役へ代表者交代を行うこととなった。現代表取締役は大学卒業後当社に就職、平成29年5月より取締役に就任し、24年間クリーニング業に携わり当社に貢献してきた。そのため事業を承継するためのクリーニング業の知識・経験が備わっており、人脈もある。事業承継や本取組を機に、さらなる会社の成長を見込んでいる。

    事業承継をして良かった点、今後の期待

    従来の体制では受注しきれなかった範囲の衣類を受注することができるようになり、取引先とより強固な関係を築くことができた。既存事業とあわせて多様な衣類を受注できることで、より付加価値の高いサービス提供ができるようになった。

    経営革新等に係る取組について

    経営革新等に係る取組の概要

    新たにガウン・パジャマ等のクリーニングサービスを提供することで、リネン類に加えて受注数の拡大を図る。ホテル等の衛生面での品質向上に貢献し、地域経済への波及効果ならびに活性化につなげる。

    補助事業で使った経費の種類

    設備費

    補助事業期間に実施した取組

    ・当初予定していたユニフォームフォルダと用途は同じだがより高性能なガウンフォルダを導入した。また、容量60kgの蒸気式乾燥機を導入した。
    ・既存設備の水洗機と合わせて新たにガウン・パジャマ等の生産ラインを構築し、従業員の操作研修を行い問題なく稼働できることを確認した。
    ・既存取引先へ新たに受注が可能になるガウン・パジャマ等の告知を行い、商談を実施した。

    補助事業期間での取組の効果

    1日に2400点の処理が可能な生産ラインを構築し小ロットから大ロットまでの対応を可能にしたことで、競合他社と比較しても優位性が高くなった。そのため、事業化の見込みが高く、新規売上の獲得並びに産業クリーニング部門の強化が実現した。

    補助事業期間で感じた取組の課題

    受注拡大を図るには更なる新規取引先の開拓が課題である。

    今後の展望や、検討している取組内容

    衣類関係のカジュアル化により、一般クリーニングの商品が減少している。生活関連事業で生き残っていくためにも、一般衣類だけでなく業務用ユニフォーム、ホテル関連、白衣等のクリーニングを通して、拡充していくことで今後も地域貢献をしていきたい。

    事例集
  6. 自社の概要

    業種 本社所在地 従業員数
    陶磁器製造業 滋賀県 6名
    自社事業の概要

    信楽焼新ブランド「鼎」(かなえ)の生産体制構築と販路拡大

    事業承継について

    被承継者の業種 被承継者の本社所在地 被承継者との関係
    陶磁器製造業 滋賀県 父子
    事業承継の経緯

    承継者は、被承継者である前社長(父)の元で育ち、やきもの制作との繋がりも深いです。承継者の学生時代は、同社でのアルバイトとして製造業に携わり、やきもの制作を一通り習得する機会を得ました。また、大学での卒業論文及び修士論文ともに「陶磁器の化学的分析」をテーマに書きまとめました。さらに前職では、公立美術館の学芸員を23年奉職し、展覧会開催を通して、全国各地の陶産地及び陶工らとの交流も深め、陶磁研究も継続しました。現職への転職は、高齢となる父からの事業承継のためで、3年間は常務取締役に就任、社長の補佐として経営、陶磁器製造、販売等に携わり、2023年7月に代表取締役に就任しました。

    事業承継をして良かった点、今後の期待

    前社長は会長となりつつも、現在も継続して会社経営とともに若手社員の育成等にも従事しています。今回の事業承継には、私自身として大きな気持ちの転換を必要としましたが、この度の補助金助成によるガス窯の導入により、「鼎」ブランドの実現において大切な一歩を踏み出す契機となり、新しい事業展開への機会に繋がりました。従来より弊社における製陶業とは「温故知新」の仕事でもあり、今後のモノづくりに対する新しい視点を得る機会となりました。

    経営革新等に係る取組について

    経営革新等に係る取組の概要

    販路拡大の主眼として、つかい手のニーズに馴染んだプレミアムな信楽焼を、従来の地元バイヤー等を経由した大衆向け商品の製造、販売から大都市圏、海外輸出等に在住するハイエンドユーザー向け高級商品の製造、販売へと転換、新市場の獲得を目指します。このためには、信楽焼素地の本来の美しさ、特徴を保持しながらつかい手のニーズに合わせた斬新なデザインのやきものをつくることとし、独自の生産システムを構築させ、生産性の向上をはかるものです。新しい信楽焼を普及させるパイロットプラントして発信させるもので、ついては信楽焼全体の活性化へと繋げたいとも考えます。

    補助事業で使った経費の種類

    設備費

    補助事業期間に実施した取組

    ・信楽焼新ブランド「鼎」(かなえ)の制作に不可欠なガス窯(1.2㎥サイズ特注)を新たに設置し、生産体制を拡充させることができました。

    補助事業期間での取組の効果

    ・新しいガス窯を導入したことで高精度で高付加価値な新ブランド商品としての「鼎」の生産を実現しました。
    ・新たな販路も開拓する契機となり、従来製品よりも単価を引き上げたものを生産する契機となりました。
    ・従来には得られない新しい焼成方法などを体験するなど、社員の関心及び仕事へのモティベーションを高める契機となりました。

    補助事業期間で感じた取組の課題

    ・ガス窯の設置は完了しましたが、今後の生産するモノ、新しい販路の開拓と共に、新しい商品としての販売方法等を具体化する課題があります。
    ・本事業の実施による弊社支出費用の回収も含め、これからの事業継続においては大切な課題の一つであると考えます。

    今後の展望や、検討している取組内容

    しんにょ陶器の新プレミアムブランド「鼎」完成への3つの目標 ~Lead to SDGs of the "KANAE-SHIGARAKI WARE" ~
    ・「鼎」の開発 ~しんにょファンが更に喜ぶ「鼎」を~
    「鼎」の開発のため、素地制作、施釉方法、焼成方法を確立させる必要があります。とりわけ、このたびの新規ガス窯については従来の他のガス窯とは焚き方が異なることから、社員一同の技術習得と共に普遍的な制作方策を確立を目指します。
    ・「鼎」の新規販路獲得 ~「鼎」に触れる喜びを増やす~
    弊社へのリピーター層は主に大都市圏に在住するハイエンドユーザーが多いことから、弊社での対面販売だけでなく、百貨店、ホテルレストラン、割烹料理店などを対象とした新規販路を開拓し、ブランドイメージを高める活動をはじめたいと考えます。
    ・「温故知新」の信楽焼としての「鼎」 ~古き良き信楽焼づくりを「鼎」に~
    弊社のポリシーの一つ「温故知新」を大切に、1000年以上つくり続けられている信楽焼の特徴、制作技術、文化の本質をまもり続けることです。新しい風合いを取り入れたモノをつくります。また、他の陶産地にない信楽焼の特徴、本質的な強みを引き出します。

    事例集
  7. 自社の概要

    業種 本社所在地 従業員数
    園芸サービス業 山梨県 12名
    自社事業の概要

    一般向け地域特産・伝統野菜の育苗の販売・サービス事業の展開

    事業承継について

    被承継者の業種 被承継者の本社所在地 被承継者との関係
    園芸サービス業 山梨県 親子(父親/長男)
    事業承継の経緯

    父の高齢化により、父が代表を務めていた会社を承継している。取引先との関係を適切に維持しつつ事業承継を行うため、代表権は父・子両方に付与されていたが、2023年1月18付で父親は代表取締役を退任している。現在は息子のみが代表権を有する。なお息子の代表取締役就任は2020年6月である。

    事業承継をして良かった点、今後の期待

    地域の人口が減少していくなかで、食への関心の高まりなどから農業は今後、注目されていく産業であると考えている。将来のビジョンを考え自らたてた目標に向かって会社を実現させていくことができる点が、事業承継を行ったよかった点である。新しい分野への取組みにより会社が成長軌道にのれば、今後は様々なアイデアを実現させていきたいと考えている。

    経営革新等に係る取組について

    経営革新等に係る取組の概要

    一般者向けに地域特産・伝統野菜の育苗等の販売・サービス事業を展開する。育成が難しい地域特産・伝統野菜について、土づくりから農資材の使い方、育て方に至るまでサポートし、一般者向け農市場開拓に寄与する。

    補助事業で使った経費の種類

    設備費、外注費、解体費

    補助事業期間に実施した取組

    ・赤字採算の支店を閉鎖して従業員を本社に集約した。
    ・余剰人員を新規事業に異動させることにより、新規事業のリソースを確保した。
    ・新規事業のための設備投資を行い、ホームページをリニューアルし、新規事業を進めるための準備は十分にできたと考える。

    補助事業期間での取組の効果

    プロの農家向けと一般者向けの販売事業を行うことで、今後は両方の良い点をシナジーとして期待できる。ホームページを作る過程のなかで、様々な事業者にヒアリングを行った結果、新たなアイデアや視点を得ることができた。

    補助事業期間で感じた取組の課題

    市場の拡大が課題である。農業への関心の高まりから、確かに一般者の消費が増えてきている。一方で一般者による農への定着をはかるためにも、農業は楽しいものであることや、手軽にできることなど、様々な面でサポートしていく必要がある。

    今後の展望や、検討している取組内容

    ・日本一の日射量を最大限活用した新たな特産品を作り上げていき、山梨=果樹ではなく野菜の認知度を高めていく。
    ・若者たちの農業への関心を底上げするため、小中学校への栽培勉強会や農作業職業体験などイベントを実施する。
    ・高齢者施設へ訪問し、花の種まき・育苗体験会などを実施を検討する。
    ・生産者の売上・収入改善を目的とした定期勉強会・展示会を行う。
    ・遊休農地などの情報を集め、新規就農者や生産者へ情報提供を行っていく。

    事例集
  8. 自社の概要

    業種 本社所在地 従業員数
    製造業 愛知県 53名
    自社事業の概要

    金型洗浄機導入により再生ゴム素材を活用した電気自動車用「eAxleマウント」部品生産体制の構築

    事業承継について

    被承継者の業種 被承継者の本社所在地 被承継者との関係
    製造業 愛知県 従兄弟(前社長の父と現社長の父が兄弟)
    事業承継の経緯

    ■事業を承継した理由:前社長が急逝したため。
    ■時期:2022年11月から承継者である現社長に代表を変更した。
    ■手法等:前社長より承継者であるいとこの現社長へ事業を引き継いだ。
    ■事業承継の経緯:急逝のため予期せぬ突然の事業承継となったが、8年前(2015年)より役員として経営に携わっていたため大きな混乱はなかった。速やかに事業承継スケジュールを組み、承継者である現社長への承継スケジュール通りに段階的な承継を実施した。現社長は2015年11月までは営業社員として業務に従事していた。その後役員となり、今回、代表交代となった。

    事業承継をして良かった点、今後の期待

    特になし

    経営革新等に係る取組について

    経営革新等に係る取組の概要

    金型洗浄機を導入し再生ゴム材を利用した防振ゴム部品製造技術の開発により、電気自動車に対応する自動車部品事業を確立する。金型洗浄を機械化することにより、省人化の実現・生産性の向上が実現し原価低減となる。

    補助事業で使った経費の種類

    設備費

    補助事業期間に実施した取組

    金型洗浄機を導入し再生ゴム材を利用した防振ゴム部品製造技術の開発を行った。

    補助事業期間での取組の効果

    金型洗浄機を導入したことで、洗浄作業に係る時間を短縮、また作業者の習熟度にかかわらず、一定の作業が可能になった。作業を均一化することにより、製品精度が向上した。

    補助事業期間で感じた取組の課題

    高温洗浄により複雑な形状の金型の表面の細かな汚れの除去や、複数個同時作業によりメンテナンス時間を短縮することが実現し、生産性向上に貢献した。再生ゴムに対応した部品の製造は市場に求められており、今後も自動車産業からの需要の高まりにより成長は見込まれているため、さらなる販路拡大を目指す。

    今後の展望や、検討している取組内容

    当社はお客様第一主義を貫き、お客様のニーズと業界の動向を注視しながら事業活動を継続してきた。目指すのは「一流の安心を売る企業」である。今後も品質管理を徹底し、お客様から信頼・安心される企業であり続けるためにチャレンジを続け、技術・技能の継承に注力をしていく。

    事例集

3. 経営革新 × M&A型

  1. 自社の概要

    業種 本社所在地 従業員数
    建築内装及び設備工事業 三重県 5名
    自社事業の概要

    事業の多角化に伴う木製製品の製作及び加工サービス事業の新設

    事業承継について

    被承継者の業種 被承継者の本社所在地 被承継者との関係
    建築金物販売施工業 三重県 当社と被継承会社とは28年に及ぶ取引がありました。被継承会社には親族経営にも後継者がおらず、代表者の高齢化により廃業せざるを得ない状況でした。そこで長年、共に仕事上でも個人的にも付き合いを重ね、信頼関係を築いてきました。
    事業承継の経緯

    継承した理由は後継者がおらず、経営者が高齢化になり廃業の選択肢しかなかったことによります。対象会社とは28年前からの取引があり、その間の顧客とのつながりを大事にする営業方針に非常に大きな感銘を受けました。そこで、廃業するのであればぜひ自分の手で継承したいと思い、事業継承の提案をしました。手法は会社株式の全譲渡となり、会社はそのまま存続させるという事になりました。経営者の体調不良もありこの時期に継承するのが望ましいと判断しました。

    事業承継をして良かった点、今後の期待

    自社のこれまでとは別の顧客及び仕入れ先が増えることにより、扱える商材や新規顧客が獲得できました。新しい事業を増やしたことにより付加価値の高い商品の販売、施工を受注できるところに期待しております。

    経営革新等に係る取組について

    経営革新等に係る取組の概要

    新たに木製製品(建具、家具等)の製作販売を実施します。他社製品との差別化を図るために、レーザー加工機の導入を考えております。この新たなサービスを生かして顧客の細かな要望を製品化することにより、付加価値を付けて受注できると考えます。

    補助事業で使った経費の種類

    設備費

    補助事業期間に実施した取組

    実際に木製素材にレーザー加工のデモンストレーションを社内にて開催し、仕上がり等を見ることにより、顧客へのアプローチ方法などを協議しました。
    どのような加工ニーズがあるのかを、設計事務所様2件を招いて要望等を出してもらい、加工の可否も含めて協議しました。
    設計事務所の要望をもとに、木材問屋と素材についての価格と耐久性などを聞いて、販売素材を選定しました。
    実際にデモンストレーションとして加工サービスを顧客に実施し、感想をデータとして今後の課題としました。

    補助事業期間での取組の効果

    実際の加工サービスを見て頂いたことにより、どのような付加価値があるのかを顧客に確認してもらうことが出来ました。
    想像以上の高評価をいただいたことにより、サービスによる価格増加も自信をもって進める事が出来ると思いました。

    補助事業期間で感じた取組の課題

    加工の仕上がりが、素材の状態によって変わってしまう為、その旨の説明を必ず実施することと、同時に出来る限りの均一素材を確保できるように木材問屋に協力をお願いする必要があります。
    加工の作業効率を上げないと、受注が重なった時の対応が課題となりました。

    今後の展望や、検討している取組内容

    実際に施工した現場において、関係者の方々に見ていただいた場で、建具(室内ドア)だけではなく、表札、看板、案内版など多岐にわたってニーズがあるのではないかとの意見をいただきました。

    【今後の展望として】
    既存の顧客へのレーザー加工による付加価値をつけた商品(木製ドア)の販売だけではなく、表札などの別商品を加工販売出来ることを営業ツールとして利用することにより、新たな顧客が獲得できると思われます。
    【新しい取組として】
    ホームページやSNSなどのツールを利用して、まずは認知度を上げることを目指します。同時に建築会社、設計事務所等へのPRを行い、BtoBビジネスの拡大もしていこうと思っております。

    事例集
  2. 自社の概要

    業種 本社所在地 従業員数
    農業 京都府 30名
    自社事業の概要

    事業承継に伴う新たな拠点での観光農園運営事業の新設

    事業承継について

    被承継者の業種 被承継者の本社所在地 被承継者との関係
    飲食業 大阪府 取引関係のある同業者
    事業承継の経緯

    被承継者であるA社とは平成29年、いちご事業参入当時より面識があり、滋賀県守山市にていちご栽培に挑戦された時から、弊社はいちご栽培指導や観光農園運営等、いちご事業におけるコンサルティングをしていました。今回、本業である飲食業にリソースを投入したいというご意向のもと、A社から滋賀県守山市のアグリ事業承継希望の旨をお聞きし、事業譲渡という形での令和5年7月1日事業承継を行いました。

    事業承継をして良かった点、今後の期待

    新たな販路開拓が可能となり、既存事業とのシナジーも期待できます。ブランディングの観点から、業界における自社の認知度向上にも繋がりました。

    経営革新等に係る取組について

    経営革新等に係る取組の概要

    いちご栽培及び観光農園運営ノウハウを駆使して、新たな園地で生産拠点を拡大し、いちごネットワークを構築することで、新規顧客獲得・認知度向上を図るとともに、地域の農業振興に努める。

    補助事業で使った経費の種類

    設備費、外注費

    補助事業期間に実施した取組

    ・滋賀県守山市にていちご生産を開始するとともに、新たに生産圃場(約1200㎡)を拡充した。
    ・ホームページを改修し、新たな場所で事業を実施していることを業界内外にアピールした。
    ・新たな販路を開拓すべく、2024年1月イオン系列のバイヤーと商談を行い、取引が成立した。

    補助事業期間での取組の効果

    ・生産拠点が増えたことで、2023年12月~2024年1月までの昨年対比売上が26%向上した。
    ・2023年12月、滋賀県内のいちご農家20名が集まり、自社の取り組みの告知や情報交換を行った。

    補助事業期間で感じた取組の課題

    ・当初、観光農園事業をすぐに開始する予定にしていたが、現状は市場や直販店が主な販路となっている。
    ・栽培地域が異なることで天候条件等が異なり、既存のノウハウをそのまま活用するだけではなく、土地に合った適切な栽培スタイルの構築が喫緊の課題である。

    今後の展望や、検討している取組内容

    <生産>
    ・滋賀県独自品種である「みおしずく」の生産及び販売を行う。
    ・長年培ってきたいちご栽培ノウハウの活用、取引先様(農薬メーカーや資材メーカー等)との協業により、新たないちご栽培における技術の導入及びコンサルティング事業を強化する。
    <営業>
    ・競合他社に対する優位性確保のための取組みとして、SNSマーケティング等によるブランディング強化を実施する。
    ・農園にて独自イベントの開催、ナイトいちご狩りや食べ放題付プランをご用意するなど、いちご狩りの楽しみ方にバリエーションを加えたりと、様々な手法を用いて、差別化を図る。
    ・展示会へ出展する。
    <その他>
    ・地域のいちご農家との交流や新規就農希望者の相談対応等を行う。

    事例集
  3. 自社の概要

    業種 本社所在地 従業員数
    貸家業 三重県 8名
    自社事業の概要

    ドローンを活用した太陽光パネルの洗浄事業と商圏の拡大

    事業承継について

    被承継者の業種 被承継者の本社所在地 被承継者との関係
    建設業 三重県 M&A紹介サービスからのマッチング
    事業承継の経緯

    当社は三重県南部の伊勢市を本社を構え、グループ企業も三重県南部を中心に位置している。グループ企業全体の事業領域が三重県北部に伸長する中にあって、建設業にて北部の提携先を探していたところ、三重県事業承継・引継ぎ支援センターから「株式会社サトー工業」の打診を受ける。同社は代表が67歳で、ご子息の承継意思はなく、後継者不在のため事業の承継先を探していた。37年にも及ぶ社歴を有する株式会社サトー工業の事業継続は、社会的意義が非常に大きいものであること、また代表である佐藤氏は地域とのつながりが深く、数々の実績と社会貢献を続けていることを踏まえ、2023年1月、株式譲渡により株式会社サトー工業の承継に至った。

    事業承継をして良かった点、今後の期待

    特になし

    経営革新等に係る取組について

    経営革新等に係る取組の概要

    三重県内を中心とした太陽光発電施設所有者に対し、ドローンを活用した効果的かつ短時間でのソーラーパネル洗浄を行う。当社の本社所在地である伊勢市(三重県南部)と桑名市(三重県北部)を拠点にサービスを展開することで、南北に長い三重県全域を網羅した事業展開を実現する。

    補助事業で使った経費の種類

    設備費

    補助事業期間に実施した取組

    本事業にてパネル洗浄用ドローンを購入した。
    自社が保有する太陽光パネルでデモ洗浄を行い、事業化に向けた取り組みを進めている。
    事業担当者に対する講習も受講し、事業化について問題はない。

    補助事業期間での取組の効果

    機器購入により、新規事業を推進する既存従業員に対するモチベーションアップにつながった。
    また収益性の向上となる取り組みとなり、次年度以降の売り上げにも期待できる取り組みとなった。

    補助事業期間で感じた取組の課題

    想定より機器のサイズが大きく保管場所の確保が大変だった。
    熟練度(操縦の経験値+実施回数)が上がるまでは必要人数が多くなり、業務最適化まで時間がかかる見込。
    実施回数を増やすことで改善される為、問題視はしていない。

    今後の展望や、検討している取組内容

    実際に自社管理の太陽光パネルの洗浄を行った結果、洗浄効率が思ったより得られず通常設置型のパネル洗浄ではコスト削減が難しい可能性がある事が分かった。
    今後は下記2つの方法を検討し、事業を推進する。
    (1)太陽光パネル洗浄方法をドローン洗浄以外も用意し、ラインナップを広げて他社との差別化に繋げる
    (2)山間部や傾斜地に特化した場所を対象とした洗浄を行う

    事例集

4. 専門家活用 × 売り手支援型

  1. 業種 本社所在地 事業内容
    建物サービス業 愛知県 建物サービス業
    従業員数 資本金(千円) 代表者の年齢
    7名 12,000 69歳
    経営資源の引継ぎの実施目的

    従業員の雇用継続、取引先との取引維持が経営資源引継ぎの第一の目的です。
    相応の株式譲渡対価を受け取れば相手がどこでも良いという考えではなく、当社や当社の従業員が保有する排水管洗浄技術を活かせる相手に引継いで欲しいという希望が強くありました。
    アドバイザリー契約の締結以降、複数社とのトップ面談を重ね、相手探しを行った結果、上記の目的を満たすことができる且つ自分自身が納得できる相手先に出会うことができました。業務の詳細についての引継ぎはこれからになりますが、現時点では当初の目的を達成できたと考えています。

    引継ぎの形態 補助金の使途
    株式譲渡 委託費
  2. 業種 本社所在地 事業内容
    製造業 大阪府 製造業
    従業員数 資本金(千円) 代表者の年齢
    4名 10,000 85歳
    経営資源の引継ぎの実施目的

    実施目的は以下の通りです。

    1.仕入れ先・外注先への影響
    仕入れ先・外注先は、大阪地場の中小企業者が主です。毎期、仕入れについては40百万円、外注については10百万円の費用をかけており、当社が廃業となれば、連携先の中小企業者への影響は大きいものとなります。

    2.販売先への影響
    販売先は、大阪地場の鋲螺販売を主事業とする中小企業者が主です。特に当社のタッピングねじに定評をいただいており、販売先の事業の運営のためにも当社のタッピングねじの継続的な提供が必要となります。

    3.従業員の継続的雇用
    従業員4名のうち特に2名は年齢が50代であり、当社のタッピングねじの製造ノウハウを有しており、今後も活躍が期待できるため継続的な雇用が必要となります。

    4.譲渡後の波及効果
    当社においては販路の拡大、買い手企業においてはタッピングねじの製造ノウハウの習得といったシナジー効果により譲渡後においては双方売上の更なる向上が期待できます。また当社の新たな雇用拡大といった地域経済への波及効果が期待できます。

    引継ぎの形態 補助金の使途
    株式譲渡 委託費

5. 専門家活用 × 買い手支援型

  1. 業種 本社所在地 事業内容
    運送業 静岡県 運送業
    従業員数 資本金(千円) 代表者の年齢
    13名 15,000 50歳
    経営資源の引継ぎの実施目的

    当社の事業拡大が主な目的である。ドライバーの労働環境を維持しながら、荷主様へ付加価値の高い物流サービスを提供するためには、山梨県の拠点を持つことが重要であると考えていた。
    中部横断の開通もあり、静岡―山梨間の物流も今後さらに活発になると考えていた。
    加えて、対象企業の荷主も当社の荷主と共通する部分も多く、当社とグループ化することにより、シナジー効果も大いに発揮できると見込んでいた。
    本件の経営資源引継ぎは、従業員の継続雇用や取引先との取引継続も含めてスムーズに済ませることができたため、当初の目的は達成できたと考えている。

    引継ぎの形態 補助金の使途
    株式譲渡 委託費
  2. 業種 本社所在地 事業内容
    プラスチック成型加工業 愛知県 プラスチック成型加工業
    従業員数 資本金(千円) 代表者の年齢
    92名 10,000 54歳
    経営資源の引継ぎの実施目的

    弊社は大型の製品を主に製造しており、生産体制もそれに特化しています。昨今取引先の要望が小型の製品を含めたユニットでの発注依頼が増え、そのニーズに応えるため生産体制の構築が必要とされる環境下にあります。そのような環境下で対象会社は小型部品の生産体制が構築されており、弊社とも従前より取引があり、弊社従業員と対象会社の従業員との面識もあるためスムーズな引継ぎが可能であると判断しました。

    引継ぎの形態 補助金の使途
    株式譲渡 委託費
  3. 業種 本社所在地 事業内容
    自動車小売業 愛知県 自動車小売業
    従業員数 資本金(千円) 代表者の年齢
    46名 10,000 53歳
    経営資源の引継ぎの実施目的

    事業の多角化検討にあたっては、経営経験やノウハウがない全くの異業種よりも、既存事業との親和性が高く、経営経験やノウハウを活かすことができる周辺事業(業種)を第一に検討していた。そうした中で、今般、後継者不在を理由に、関西圏にある海外有名二輪メーカーのディーラー店舗を運営する法人(以下、対象会社)が会社譲渡を検討しているという情報をキャッチした。当社としては、四輪小売事業で培ってきた店舗運営の経験や顧客対応のノウハウを十分に活かせる業種であることや、当社の四輪と譲渡先の二輪は共に趣味趣向性の高い商材であること、といった共通点(親和性)の高さから、M&Aの相手として申し分のない先だと考えている。今回のM&Aを通して、四輪、二輪の両部門で趣味性の高いアイテムを扱うことで、さらなる成長を目指していく。

    引継ぎの形態 補助金の使途
    株式譲渡 委託費
  4. 業種 本社所在地 事業内容
    製造業 北海道 製造業
    従業員数 資本金(千円) 代表者の年齢
    46名 20,000 73歳
    経営資源の引継ぎの実施目的

    本件経営資源引継ぎの実施目的は以下の通りである。

    ①プラント案件のコストダウン
    買い手候補先は当社が欲する「一般鉄工に必要な設備・ノウハウ」と「一般鉄工に対応可能な従業員」をすでに有している。本件引継ぎが実現すれば、グループ傘下となる売り手のリソースを活用することで「一般鉄工製作物も、それに適した単価設定で製造がすることが可能」となり、『一般鉄工もサニタリー製品基準の高単価となるために価格競争で後れを取る』という課題が解決でき、従来では実現できなかった競争力を新たに獲得できる。

    ②当社従業員の成長
    対象会社の既存事業を今後も安定して運営するため、当社の技術者による「業務の図面化」を進める。これによって、対象会社の技術を将来に残すだけでなく、「他社・他業界の図面化作業によって新たな知見や経験をえられる」というメリットが生まれ、当社の既存事業にも良い影響が出ることが期待される。

    ③中途採用人材の流動性が向上
    当社では中途人材の採用も行っているが、高付加価値製品であるサニタリー製品の製造には、一般鉄工と異なる知識や高度な技術が必要となることも多く、ギャップを感じた従業員が早期離職してしまうケースも多く発生している。こうした「労働者側のイメージギャップ」を緩和する手段として、本件事業引継ぎは有効である。

    上記の目的は現在達成に向けて取り組んでいる最中である。

    引継ぎの形態 補助金の使途
    株式譲渡 委託費
  5. 業種 本社所在地 事業内容
    卸売業 山梨県 卸売業
    従業員数 資本金(千円) 代表者の年齢
    44名 5,000 42歳
    経営資源の引継ぎの実施目的

    被承継者は、従業員平均年齢が56歳と比較的高齢であるが、対して承継者は若い人材雇用が多く従業員平均年齢は34歳と比較的若い。また、4年連続で新卒採用を行っているため、その採用力を生かした被承継者事業所の若返りと、令和3年に閉鎖した東京支店の代わりに都内での拠点としての活動を目的としている。

    さらに、被承継者は創業75年であり、同事業に長く携わってきた技術力、取引先との関係構築や営業スキルは、創業16年の承継者にとっては大変貴重な情報であり、企業の若返りと事業内容の吸収といった互いの事業におけるシナジー効果を目的としている。

    引継ぎの形態 補助金の使途
    株式譲渡 委託費